消えた高齢者無縁社会の闇

今日の夜NHKで表題のタイトルの番組をやっていた。何故家族と一緒に過ごしている方が所在不明となったのか。113歳で行方不明となっている杉並区の「古谷ふさ」さんの事例で紹介していた。番組のインタビューに答えていたのは長女の古谷敏枝さん。いつから所在不明となったのかわからない。敏枝さんの記憶ではふささんが80歳になった時、「お金を貸して欲しい。」と現れたのが最後だそうだ。
その後の追跡調査で、昭和53年に家賃が払えず弟と一緒に出て行ったことがわかった。弟は路上生活者となって見つかったが、ふささんは見つからなかった。その時ふささんは81歳。家族がいるのに所在不明になる高齢者達は多くいる。
次の事例は年金不正受給で有罪になった方の事例を紹介していた。その方はかって母、妹、父、自分の四人で幸せに暮らしていた。父親が退職後、事故で足を患い認知症になってしまった。その後母親と妹が続けて急死する。年金は2ヶ月で30万円。父親の介護で働きに出れず、父親の介護を続ける。そして昨年の5月に父親は息をひきとる。
その方は悩んだすえ、遺体を二階へ移して年金を受給した。ごく普通の家庭が親の死をきっかけに崩れていく。
これらの状況に対して国は地域包括支援センターに高齢者支援の役割を定めている。しかし個人情報保護法のかべがあって、自治体は十分に支援ができないし、情報も出せない。そこである自治体は見守りキーホルダーによって高齢者を保護、把握するように取り組んだ。事前登録制で、このキーホルダーによって徘徊や迷子になった時にキーホルダーの番号をもとに連絡する。しかしこの制度にも限界がある。ある高齢者のキーホルダーが落ちていた。早速登録してある番号で連絡したが、現在つかわれていませんとの音声の案内。持ち主は一年前に登録したが、行方不明となってしまった。そして直接家庭を訪問すると不在。地域のつながりが薄い現代。地域包括センター支援センターが自治体からの情報開示もないなかで、高齢者を把握するのは難しい。長妻大臣はこの状況に対して、「雇用と家族の同時進行の崩壊の中で高齢化が進んでいる。」と評論家のように述べた。番組は一人暮らしだけでなく家族のいる社会も崩壊していると結論。
国の政治は代表選でうつつをぬかしている。テレビも政治も手をこまねいている。私は具体的に板橋区で提案して改善して参りたいと痛感した。