中国の20年後は巨大な老人大国。この現実に日本のサービス産業の参入と支援を充実させよ!

 今日の午後、中国の20年後は巨大な老人大国とのニュースが飛び込んで来た。中国は最近、経済成長のあり方を急進的な成長から調和社会の構築に方針転換をしたばかりで、新たにその成長分野と数値目標を「十一五規格」として草案を発表した。その背景には農村と都市部の地域間格差の是正にある。
 04年のデータ(中国統計年鑑05年版)では都市部の一人当たり収入の平均が10128.5元(約13万4600円)で農村部一人当たりの平均2936.4元(3万9026円)の3.44倍。さらに農村部で一番最低の貴州の農村との比較では一人当たりの平均年収が1721.6元(約2万2800円)で都市部はその5.88倍の収入がある。上海、北京との比較にいたってはその10倍から9倍の収入格差が広がっている。
 「十一五規格」の数値目標の草案を見ると、就業、医療、年金、教育、所得、環境保全等生活サービス産業を成長の中心に据えている。現在の日本が苦しんでいるテーマと似たようなものがある。私はかねがね今の日本におけるデフレ、少子高齢化社会保障(医療、年金、介護、)、地方分権、環境問題の教訓は中国でも必ず必要な時代が訪れると思っている。そして今回の記事であるが、中国は20年後は老人大国になり、一人っ子政策を続ける中国は間違いなく少子高齢化国家になる。しかも日本のように年金、医療保険、介護サービスの制度が未整備なのである。中国には介護サービスの制度の整備が必要であり、これらを核とする生活サービス産業の成長が、中国の余剰労働力を吸収し、穏やかに発展することができる。これらの分野の成長こそが中国の目指すべき調和社会の実現に大きく寄与すると推察する。
 話は変わるが平成18年3月29日(水)に開催された第7回経済財政諮問会議では二階経済産業大臣から提出された「新経済成長戦略」の中間のとりまとめにも日本の産業の成長はアジア重視とサービス産業の発展を経済成長のエンジンとして位置づけている。日本の成長のため、中国の成長のため、世界の成長のため、中国の生活サービス産業の発展に日本は寄与すべきである。
 それにしても残念なのは日本の中国に対するODAの取り扱いだ。日本のODAは中国がより良い方向に漸進的に発展する開発援助の役割を果たしてきた。その支援内容は近年は農村内陸部のインフラ、環境保全等、循環型社会を目指した支援内容に変化している。中国の穏やかな発展は近年のエチゼンクラゲの大量発生に見られるように、環境問題、エネルギー問題等、全ての問題で日本の国益、世界の利益に直結している。そしてその支援内容に高齢化社会におけるサービス産業の分野も必要ではないだろうか?
 中国の軍事費増大が日本においてODA支援の批判があるのは事実である。だからこそ中国の調和社会の構築実現のために、日本はODA支援の中で建設的な意見交換を図り継続すべきである。世界平和と相互利益のために。
リンクhttp://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1831937/detail