完璧な親なんていないということ。

 公明党都本部女性局主催の子育てサポートの研修に参加してきました。講師は明治大学心理社会学科教授、コミュニティ・カウンセリング・センター代表の三沢直子氏。同氏の臨床心理士の実体験に基づいた分析と子育てサポートの実践の研修は大変に説得力がありました。
 先ず、今の子育てを取り巻く環境の分析がありました。日本の子育て、教育は60年代から始まる高度成長時代から母親まかせになり、40年間のそのしわ寄せのつけが全部今の子育てにまわってきているそうです。例えば赤ちゃんにコーラやラーメンを食べさせる。育児書を片手に子供に完璧を求めて育てる親がいる一方、ちらかった部屋で子育てに無頓着な親がいる等等である。
 結論として、年々子育てを知らない人が子育てを行っていることにより、日本の教育・子育ては悪循環に陥っている。その負のスパイラルを抜け出すには身近な地域による子育てサポートを拡大して行くしかない。なかんずくカナダで実践されている「Nobody's Perfect」プログラム、訳して「完璧な親などいない。」プログラムが重要だというのです。
 このプログラムの内容は簡単いえば、親について、しつけについて、こころについて、安全について、からだについてという5つのジャンルについてリーダーを中心にして自身の体験を紹介したり、悩みを語りあったり、技術を紹介しあったりする場を作って情報交換の場を作って子育てしようという試みだそうです。いわゆる井戸端会議の復権です。この手法はお母さんの不安、抑うつ感を減少させ、自己評価を高めて、自信を与えるのだそうだ。
 板橋区でも0,1,2,(オイッチニ)広場や親子交流サロン等のように子育てサポートのコミュニケーション広場を積極的に提供している。この研修を受けて、板橋区でも広場を更に拡大し、相談機能や、子育てプログラムも充実させて行きたいと思いました。
 しかし問題なのはそういった試みを誰かに任せれば良いという安易な姿勢なのでしょう。又家庭教育が大事だとか、母親の責任だと、いくらお題目を唱えても問題の解決にはなりません。もっと大事なのは自身が子育てに関わりどのように取組んできたのかという行動と事実しかないと痛感しています。
 残念ながら子育てについては私は偉そうには言えません。現実、家内にまかせっきりできてしまっています。今、長女と長男は思春期の真っ只中にいます。なかなか大変です。どう対処するか。悠長な言葉の世界ではすまされない。自分の後ろ姿が全てである。「二人とも、健康で、人のために生きる人生を。」と祈りながら、毎日成長を見守っています。